速度は必要?

主にインターネットなどの通信能力を示すものとして、「通信速度」と「回線速度」があります。
でもその違いって、よくわからないですよね。

「通信速度」とは

「通信速度」とは「通信流量」のことを意味しており、1秒間にどれだけのデータ量がやりとりされているのかということを表します。 わかりやすく水道に例えると、蛇口から出てくる水の勢いになります。
なので、程度を表す際は「水の出が良い、悪い」というように、「通信速度が良い、悪い」と表現するのが適切だといえます。 普段の通信速度は数メガ以下で、必要に応じて絶えず変化しています。
この通信速度を調べる方法としては、現在使っているパソコンのタスクマネージャーのネットワークタブを開けば出てきます。

「回線速度」とは

最寄りの基地局からモデム、または回線終端装置までの通信能力を表します。
「回線速度」ではなく、「回線能力」と言った方が理解しやすいかもしれません。
こちらもわかりやすく水道に例えると、水道管の太さになります。
なので、程度を表す際は「回線速度が高い、低い」と表現するのが適切だと言えます。
「速度」と付いているのでよく誤解されることが多いのですが、1秒間にどれだけのデータを運べる能力があるのかであって、データが移動する速度を表すものではないのです。 この回線速度が遅いと、YouTubeなどの動画を観たり音楽のダウンロードをする際にものすごく時間がかかったりすることがあります。 回線速度の調べ方としては、検索の画面にスピードテストと打っていただければ、スピードを測ることができるHPが出てきます。

つまり、お客様にとって重要というか、気にするべきものは「通信速度」ではなく、「回線速度」です。
「通信速度」は、ADSLでも光回線でも特に変わらず、「回線速度」が違うのです。
水道の蛇口は誰でも同じようにひねることができますよね。
それに比べて水道管の太さはもともとのものなので、お客様(利用者)がどうすることもできないのです。
よって、「回線速度」の方が重要ということです。
ただし、いくら回線速度の高い光回線を使っていても、他の要因で体感速度が変わることがあります。

人によって違う体感速度

「インターネットの速さ」は、ネットの使い方、回線の混み具合、自宅のネットワークの状態、パソコンの処理能力など、いろんな要素によって実現します。どれかが影響すると、ベストな速さにはなりません。 これらの仕組みを理解し、どうすればベストな状態にできるか?ご説明します。

上り/下りの速度

ホームページを見たり、ソフトをダウンロードしたりメールを受信することがこれにあたり、「下り(くだり)」と表現します。
もうひとつはメールを送信をしたり、画像や動画を投稿するなどデータをアップロードする「上り(のぼり)」と表現されるものです。

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ISDN回線や光ファイバー回線では、この上りと下りは同じ速度です。
CATVやADSLでは、「上り」に比べて「下り」が速くなるようになっています。
これはインターネットの利用方法が「上り」よりも「下り」の方が多いためで、利用量の多い「下り」の方を速くすることで快適にインターネットが利用できるよう考えられています。 ホームページを立ち上げている方や、SOHO等のお仕事でネットを利用している方は、CATVやADSLだと「上り」が遅く感じるかもしれませんね。

ベストエフォート型

通常、インターネットの回線は1つの回線を複数人で共有して使用しています。
このとき、同時間帯に利用している人数によって回線の速度が変わる方式がベストエフォート型です。「回線の利用状況によって、その時に出せる最高速度でご利用いただけます。」という意味になります。 反対に常に一定の速度を保証する方式をギャランティ型(品質保証型)といいます。
ギャランティ型で100Mbpsだとすると、いつ利用しても常に100Mbpsで利用できるというわけです。

回線の種類と速度

一般的なインターネット固定回線には、「電話回線」「ISDN回線」「ADSL回線」「CATV(ケーブルテレビ)回線」
「光ファイバー回線(FTTH)」があります。これらの回線を速度の順に並べると、下の図のようになります。
ちなみに、CATV回線や光ファイバー回線などの高速大容量の回線を「ブロードバンド」といいます。

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上記回線以外にも、モバイルデータ通信(Wimax Y!mobile等)というサービスもあります。
ただ、光回線とモバイル通信は『使い方』に違いがあるように思います。例えば自宅でPC・タブレットでネットを見たり、ひかり電話(IP電話)やひかりTV(映像サービス)、オンラインゲーム等を利用するのであれば、光回線をひくのがベストです。Wimaxはデータ制限がないプランもあるので、ひかり電話等を使用しないのであれば、自宅の回線をwimaxに変えてしまうのも可能です。ただ、WimaxやY!mobileはあくまでWi-Fi接続ですので、固定回線の光に比べると、安定性や速度は劣ります。自宅以外に外出先でも利用する方は、モバイル通信を選択することになります。

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周辺機器の性能

◆無線ルータやハブが回線速度に対応していない

回線が100Mであっても、お持ちのルータが100Mに対応していない場合、本来の速度は発揮できません。
また、無線LANの通信方式によっては速度が十分に出ない場合もあります。
ルータとパソコンの間に、同じ周波数を使う電子機器の干渉を受けたり、1階のルータから2階/3階の部屋で使う場合、無線の電波が垂直方向に弱い特性から速度低下につながることがあります。また、複数台のパソコンを無線LANで利用していても速度が落ちる可能性があります。
最近はパソコン以外に、スマホもWii-Fi接続で複数台つないでるという方も増えてきました。
長年使っている機器であれば、利用している回線速度や使い方に合った機器の導入を一度検討してみましょう。

パソコンのスペック

パソコンのスペックやソフト側で処理する能力が足りない場合、画面が表示される速度が遅くなり、結果として回線の速度が遅いように感じてしまうことがあります。

◆CPU処理速度

CPUは人間で言うと頭脳に当たり、パソコンを構成する装置の中でも最も重要な部分になるため、自分で取り替えるには相当な知識が必要です。 CPUがあまりにも遅いと感じられる場合は、その他の構成装置に関しても取替時期にあるとも言えます。基本的にはパソコンの買い替えを検討してみましょう。

◆メモリ不足

例えて言うなら、メモリは「机」のような役割をする部分になります。
メモリが少ないとホームページや動画を画面に表示する際の速度が遅くなってしまいます。
メモリが不足しているようであれば増設を検討する、もしくは同時に起動するアプリケーションの数を減らしたり、不要なソフトを削除してみましょう。

◆OSやブラウザが古い

windows vistaやMac OS9以前のOSを使用している場合、回線速度に対応していない可能性があります。
最新のOSの導入を検討してみましょう。ブラウザについては、無料でアップグレードできるものがほとんどです。バージョンを上げることで、処理速度が向上するものもあるので、現在のバージョンをチェックして最新のものを使用するようにしましょう。

セキュリティソフト

セキュリティソフトを利用している場合、ホームページを見る際のウイルスチェックやスパイウェアチェックを行うため、処理に時間がかかり遅いと感じてしまうことがあります。 セキュリティソフトはインターネットを利用する上で大切なソフトです。利用をやめるのではなく利用状況の見直しをしてみましょう。起動時間やチェック内容の設定を変更することによって、改善できる場合があります。また、近年はクラウド版といって、昔のモノに比べるとパソコンに負荷がかからない製品や、1契約でパソコン・タブレット・スマホ3台のセキュリティをかけることができるソフトもあります。

ウイルス感染

ウイルスの中には気づかないうちにメールやデータを他人あてにランダムに送り続けるようなものもあります。CPUやメモリに負担をかけパソコン自体の処理能力を低下させるなど、これによりホームページの表示速度が遅くなってしまう可能性があります。必ずセキュリティソフトを導入し、ウイルスをチェックと最新版を利用することを心がけましょう。

回線の混み具合

ベストエフォート型の回線は、多くの人が回線を使って回線が混み合うと、回線速度が低下します。 一般にインターネットの回線は夜8時から11時の時間帯に利用者が多いようです。この時間帯をはずして、あまり使用されない時間帯に試してみてください。

◆自宅内で何人かで同時接続していませんか?

光ファイバーの回線速度が速くても、屋内で何台かのパソコンやスマートフォン(無線LAN利用時)でインターネットにアクセスしていると、速度が遅くなってしまいます。とくに、動画視聴やオンラインゲームなど情報量が多いものを見ていると、速度に大きな影響が出ます。
使用時間が集中しないように時間をずらして使うといった工夫をしてみてください。

◆アクセスしようとしているサイトの混雑

人気のあるサイト(ホームページ)の表示が遅い場合は、アクセスが集中して、サーバー(サイトのデータが置いてあるコンピュータ)の処理速度が遅くなったり、回線が混雑している可能性があります。とくに突発的に話題になっているサイトではよく見られる現象です。
時間をおいて、混雑しない時間帯にアクセスしなおしてみてください。

プロバイダの品質?

ダイヤルアップの頃、プロバイダの幹線の通信能力が低くて通信速度が悪くなる事がよくあり、プロバイダを選ぶのに注意が必要でしたが、ADSLの頃になると淘汰され、ほとんど聞かなくなりました。しかしネットユーザーの増加に伴い、混雑する時間帯によってはプロバイダが帯域制限をかけることがあります。通信量が多いユーザーに帯域を圧迫されると周囲のユーザーに迷惑がかかるため、そのような措置が取られます。安定したサービス提供とネットワーク利用の公平性確保の観点から、大手・中小プロバイダに限らず実施しています。

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